休日が寝て終わる原因とは?

休日が寝て終わる原因はさまざまです。必ずしも休日が寝て終わることがNGとはいえませんが、早急に対策が必要な状態に陥っているケースもあります。まずは、休日が寝て終わる6つの原因を確認し、自分に当てはまる原因を把握しましょう。
- 平日が忙しく寝不足になっている
- 生活習慣が乱れている
- 食生活が乱れている
- 睡眠の質が悪い
- 休日無気力症候群の疑いがある
- 病気の疑いもある
平日が忙しく寝不足になっている
まず、平日が忙しいために寝不足になっていることが考えられます。
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」では、少なくとも1日6時間以上の睡眠が推奨されています。平日にこの睡眠時間を確保できていない場合、「睡眠負債」と呼ばれる状態に陥ります。
睡眠負債とは睡眠不足を借金に例えた言葉で、慢性的な睡眠不足を蓄積して心身に悪影響を及ぼすおそれのある状態です。平日に睡眠負債がたまりすぎると、その返済をするために休日に多く寝てしまいます。
睡眠負債の増大は心身の不調につながるため、日頃からためないよう心がけることが大切です。そういった意味では、平日にたまった睡眠負債を休日に返済することは一概にNGとはいえません。
とはいえ、休日に返済できる睡眠負債は1日2~3時間ほどが限度といわれています。平日と休日の睡眠時間に過度なギャップがあると、生活リズムが乱れてかえって不調を起こしかねません。休日に多く寝るとしても、平日に対して2~3時間は超えない程度にとどめましょう。
なお、厚生労働省「知っているようで知らない睡眠のこと」では、休日に寝だめしたい場合は「平日の睡眠時間+1時間程度」が推奨されています。
生活習慣が乱れている
生活習慣の乱れから、日中の活動が難しくなるケースも少なくありません。
たとえば「長時間残業で帰宅が遅くなり、夕食や就寝時間が深夜にずれ込んでしまう日が度々ある」「シフト制やフレックスタイム制の働き方で、起きる時間や食事をとる時間帯が日によって異なる」などのケースが挙げられます。
また、日中に運動する習慣がないと夜に眠りにくくなり、生活リズムが乱れる原因になります。
生活習慣が乱れると、体内時計が夜型になったり、睡眠の質が悪くなったりして慢性的な寝不足に陥ります。その結果、休日も日中に活力が湧かず、身体が寝不足をカバーするため長く寝ようとしてしまうのです。
生活習慣の乱れは平日の仕事にも影響しかねないため、積極的な改善が求められます。起床時間・就寝時間に加え食事の時間帯をなるべく固定し、座り仕事が多い方は日中に軽い運動を取り入れるなど対策を講じましょう。国内外の疫学研究によって、習慣的な運動が睡眠の維持に効果的であることがわかっています。負担が少なく長続きする運動習慣を生活に取り入れることで寝つきがよくなり、深い睡眠を得られるため、デスクワーク中にできる運動など無理のない範囲で始めてみましょう。仕事の合間にさりげなく取り組める運動はこちらの記事を参考にしてください。
食生活が乱れている
食生活の乱れも、日中の活動を妨げる原因となりやすい問題です。食生活が乱れることで寝不足に陥り、寝不足をカバーするために休日の睡眠時間が長くなってしまいます。
たとえばファストフードの食べすぎといった栄養バランスの偏りは、睡眠の質を高める栄養素(詳細は後述)の不足を引き起こします。また夜遅くの食事を繰り返すと寝ようとする時間帯に胃腸が活発にはたらき、眠りにくくなるケースがあります。
こうした食生活の乱れが引き起こす睡眠の質の低下によって体内時計が夜型になると、日中の活力が低下しかねません。
睡眠の質が悪い
生活習慣や食生活に問題がなかったとしても、睡眠の質が悪くなることで日中の活力が低下するケースが考えられます。平日に快眠できていないために、休日の睡眠時間が長くなってしまうのです。
たとえば、加齢によって睡眠リズムが変わり、いつもの時間帯に快眠できなくなるケースもあります。また、寝室の温度や周囲の騒音など、睡眠環境に問題があると快眠はできません。
睡眠の質が低下すると、平日に十分な睡眠時間を確保できていたとしても寝不足になるケースがあります。日中の生活習慣に問題がない場合は、眠る場所の環境を見直してみましょう。
休日無気力症候群の疑いがある
「休日無気力症候群」と呼ばれる状態に陥っている疑いもあります。休日無気力症候群とは文字どおり、休日に気力が湧かなくなる症状のことです。平日は気力があっても、休日だけ無気力となってしまう場合、休日無気力症候群を疑いましょう。
休日無気力症候群の原因は、まだ定かではありません。しかし、平日に仕事を頑張りすぎている、平日の仕事が精神的なよりどころになっている、といったケースで生じることがあります。平日と休日のバランスについて見直してみましょう。
休日無気力症候群を放置すると、うつ病に発展するケースもあります。不安な方は、メンタルクリニックなどの受診も検討しましょう。
病気の疑いもある
休日無気力症候群だけでなく、正式な病名が存在する病気の疑いも否めません。病気の内容によっては寝不足に陥り、休日の睡眠時間が長くなってしまいます。
たとえば、鼻炎や喘息といった呼吸器系の病気が呼吸の乱れを引き起こし、睡眠の質を低下させるケースもあります。また、関節痛といった痛みをともなう症状があると、睡眠中に起きてしまいかねません。
こうした病気の不安がある場合は、早期に医師の診察を受けましょう。
休日にずっと寝ているとどうなる?

休日にずっと寝ていると、次のような問題の発生が懸念されます。
- 倦怠感や疲労感が生じやすくなる
- 頭がぼんやりする
- 休み明けの体調がスッキリしない
1つずつ、詳しく見ていきましょう。
倦怠感や疲労感が生じやすくなる
休日に寝すぎると、不規則な睡眠によって自律神経が乱れ、倦怠感や疲労感が生じやすくなります。結果として、眠って体を休めたつもりが逆効果になってしまうのです。
また、睡眠時にも呼吸や消化などの基礎代謝により、ある程度のエネルギーを消費します。そのため、質がよくない睡眠を長時間とると、安らぎを得られないままエネルギーだけ消費することになってしまいます。
頭がぼんやりする
休日に寝すぎると、頭がぼんやりした状態になってしまいます。長時間の睡眠によって運動量が減ると血流が悪くなり、脳へ十分な酸素が送られなくなるためです。また、過度な睡眠は脳に負担をかけ、かえって疲労を蓄積させてしまいます。
そのため、たとえば日中に長時間の睡眠をとり夜に資格試験の勉強などを計画していても、いざ本を開くと集中できないといった事態につながります。休日に頭をフル活用したい場合、日中に寝すぎることは避けましょう。
休み明けの体調がスッキリしない
休日に寝すぎると、休み明けの体調に支障をきたすことがあります。平日と休日の睡眠時間にギャップがあることで睡眠リズムが乱れ、夜に快眠できなくなるためです。また、休日の長時間睡眠で増幅させた倦怠感や疲労感を、平日に持ち越してしまうことも考えられます。
休日を充電期間にするつもりが、平日のパフォーマンスを低下させてしまうのでは本末転倒です。休日を無駄にしないよう、寝すぎには注意しましょう。
休日にずっと寝てしまうことの対策方法とは?

休日にずっと寝てしまうことの対策方法は、主に次の4つです。
- 生活習慣を改善する
- 睡眠環境を整える
- 食生活を改善する
- 趣味を見つける
1つずつ、詳しく見ていきましょう。
生活習慣を改善する
まずは生活習慣の改善を図ることが大切です。平日の睡眠時間の長さや、起床時間・就寝時間の規則性などを見直しましょう。睡眠の時間やリズムの問題が改善されれば、休日の睡眠改善にもつながります。
また、夕方以降のカフェイン摂取や就寝前の飲酒は避けることが望ましいです。睡眠リズムを整えたい場合は、朝の日光を浴びることで体内時計をリセットするとよいでしょう。
睡眠環境を整える
必要に応じて睡眠環境を整え、問題を取り除きましょう。睡眠を妨げる騒音はないか、寝室の温度や湿度、明るさは問題ないかなどを見直してみてください。
家族の声などが気になる場合は、耳栓の装着や吸音材の利用が効果的です。温度や湿度が快適でない場合は、空調でカバーしましょう。室内は、できる限り暗くするほうが眠りにつきやすいです。
理想の睡眠環境に近づけることで、平日の睡眠の質が向上し、休日の寝すぎを抑制できます。
食生活を改善する
食生活の改善も図りましょう。栄養バランスが偏っていないか、夜遅くに食事をとっていないかなどを見直してみてください。
睡眠の質を高める栄養素を含んだ食べ物をとることも効果的です。たとえば、トリプトファンと呼ばれるアミノ酸は体の活動・休息のサイクルを作るセロトニンというホルモンを作ります。トリプトファンを多く含む乳製品を摂取することで、朝スッキリと目覚める睡眠サイクル作りを助けてくれます。
また、心身をリラックスさせる効果のあるGABAを多く含む、キノコ類や発酵食品などをとることもおすすめです。食生活を整え、睡眠の質や睡眠リズムを改善しましょう。
趣味を見つける
熱中できる趣味を見つけることも、休日に寝すぎることの対策として効果的です。趣味があれば日中の活動意欲が高まり、休日に無気力となることを防げるでしょう。また、趣味に没頭することでストレスを解消でき、睡眠の質の向上も期待できます。
とはいえ、「熱中できる趣味が見つからない」といった方も多いのではないでしょうか。当サイトでは、趣味が見つからない方に役立つ記事も多数公開しています。次の記事から、ご自身に合ったものを選び、ぜひご覧ください。
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寝不足を防止するために導入している企業の制度

従業員の寝不足や睡眠リズムの乱れは、企業の生産性低下にもつながりかねません。そのため、さまざまな企業が従業員の寝不足などを防止するための制度を導入しています。代表的な制度は、次の2つです。
- フレックスタイム制度
- パワーナップ制度
1つずつ、詳しく見ていきましょう。
フレックスタイム制度
「フレックスタイム制度」とは、従業員自身が一定のルール内で出退勤時刻を決められる制度です。指定の時間帯には出社や就業を義務付ける「コアタイム」を定めている企業もありますが、それ以外の時間帯であれば出勤時間・退勤時間をライフスタイルに合わせて柔軟に選択できます。
社員の生活リズムに合わせて出退勤時刻を決められるため、仕事と睡眠のバランスを整えやすいのがメリットです。エンジニアなどの職種では、フレックスタイム制度が広く導入されています。
パワーナップ制度
「パワーナップ制度」とは、業務時間内に10~30分ほどの仮眠を取り入れられる制度です。「パワーナップ」は、午後にとる仮眠のことを指します。
平日に昼寝を取り入れることで、仕事のパフォーマンス向上につながります。また、睡眠負債を平日に少しずつ返済できるため、休日の寝すぎも抑制できるでしょう。エンジニアなどの職種でも取り入れやすいため、今後の導入拡大が期待されます。
まとめ

休日が寝て終わる原因はさまざまです。必ずしも休日が寝て終わることがNGとはいえませんが、早急に対策が必要な状態に陥っているケースもあります。休日が寝て終わる原因を把握し、必要に応じて対策を講じましょう。
休日の寝すぎを防止できれば、勉強によりスキルアップを図ったり、趣味を満喫したりすることも可能です。休日が寝て終わることにお悩みの方は、今回の内容をぜひ参考にしてください。