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【エンジニア向け】ChatGPTの具体的な活用例を紹介!回答精度を上げるコツも解説

IT業界に勤めるエンジニアの間でも、生成AIの活用が進んでいます。なかでも「ChatGPT」は、日本のエンジニアにも高い人気がある文章生成AIです。しかし、ChatGPTの活用方法について、わからない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ChatGPTの具体的な活用例を紹介します。ChatGPTの回答精度を上げるコツも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

更新日: 2025/02/18
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エンジニアがChatGPTを活用するメリット


ChatGPTは、エンジニアの業務効率化や問題解決に役立ちます。

大きな強みは、コードの生成に対応している点です。ChatGPTは、Web上に存在する大量のコードから書き方のパターンを学習しています。そのため、JavaScriptやPython、Javaなど、主要なプログラミング言語の大半でコード生成が可能です。

実装したいプログラムの仕様や設計に関してプロンプト(指示文)で教えれば、指示に合わせたコードを生成してくれます。プロンプトの作成・出力結果のチェックは不可欠ですが、エンジニアが1からコードを書くよりも格段にスピードアップできます。

このように、ChatGPTはエンジニアにとって活用のメリットが大きいツールです。積極的に活用しましょう。

 

ChatGPTの始め方


ChatGPTは、アカウントを作成しなくても使用できます。具体的な方法としては、ChatGPTの公式サイトにアクセスし、画面下部のメッセージ欄にプロンプトを入力・送信するのみです。

 

例として、「Pythonで1から3までの整数を表示する関数を実装してください。」というプロンプトを与えてみましょう。プロンプトの入力後には、右にあるボタンあるいはEnterキーを押すことで、プロンプトを送信できます。


すると、次のようにChatGPTがPythonのコードを出力してくれます。「コードをコピーする」をクリックすれば、コードをクリップボードにコピー可能です。


これが最も基本的なChatGPTの使い方です。ただし、アカウントを作成しないと会話履歴を保存したり、細かい設定を行ったりできません。より快適にChatGPTを使いたい場合は、画面右上にある「サインアップ」からアカウントを作成しましょう。すでにアカウントがある方は「ログイン」からログインすればOKです。


なお、アカウント作成にはメールアドレスやGoogleアカウントを利用できます。アカウント作成方法は、一般的なWebサービスと基本的に変わりません。必要事項を入力してメール認証を行うだけで、ChatGPTのアカウントを作成可能です。

 

エンジニア業務におけるChatGPTの活用例

 

ここからは、エンジニア業務におけるChatGPTの活用例を簡単に紹介します。活用例を把握し、実務で試してみましょう。

 

コーディングの効率化

ChatGPTは「コードの生成」と「コードの解説」が可能であるため、手作業でコーディングする手間を大幅に減らすことが可能です。

 

コードの生成

ChatGPTでコードを生成したい場合は、プログラミング言語と、実装したいプログラムの仕様や設計を指定しましょう。それだけで、指定したプログラミング言語で、仕様や設計にもとづいたコードを生成してくれます。

たとえば、先ほど紹介したように「Pythonで1から3までの整数を表示する関数を実装してください。」と指示することで、求める関数を実装できます。


注意点として、実装したいプログラムが複雑になればなるほど、ChatGPTが生成するコードの正確性は下がります。生成されたコードは「どこかにバグがあるかもしれない」と注意深くチェックし、手直ししたうえで利用しましょう。

熟練したエンジニアでも、1からコードを書くとそれなりの時間を要します。しかし、ChatGPTを活用すればプロンプトの送信、コードのチェック・手直しだけで済み、大幅にコーディングの時間を短縮できます。

 

コードの解説

プログラミングに携わるエンジニアにとって、既存のコードを調査する機会が多くあります。しかし、複雑なコードだと、目的や動作が理解しづらいケースも考えられます。そのような場合は、ChatGPTにコードの解説を依頼しましょう。

例として、先ほど生成したPython関数の動作について解説を依頼してみます。


すると、次のようにポイントを整理しながらコードについて解説してくれます。


注意点として、自社のコードをそのままプロンプトに送信すると、ChatGPTの学習に利用されてしまいます。学習を防ぎたい場合は、アカウントのアイコン→設定→データコントロールの順に遷移し、「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにしましょう。そうすることで、自社のコードが学習されることを防止できます。

 

デバッグの支援

ChatGPTは「エラーの原因特定」と「バグの修正」が可能なため、デバッグ(バグをつぶす作業)の支援ツールとしても活用できます。コードをひと通り実装した後のデバッグ作業を効率化したい場合に有効活用しましょう。

 

エラーの原因特定

ChatGPTでエラーの原因を特定したい場合は、「問題と思われるコード」「想定している挙動」「実際の挙動(エラー内容などを含む)」を与えてください。ChatGPTがコードをチェックし、原因と思われるポイントを指摘してくれます。

例として、Pythonでリストの要素が正しく表示されないコードをChatGPTにチェックしてもらいます。


すると、次のようにエラーの原因を教えてくれます。


上記は初歩的なエラーのため難なく特定できましたが、コードが複雑になればなるほど特定の難度は上がります。上手く特定できない場合は、追加の情報を与えてより細かくチェックしてもらいましょう。

 

バグの修正

ChatGPTは、コード内で見つかったバグを修正することも可能です。細かい修正の手間が省けるため、デバッグ者の作業を大幅に省力化できます。

また、エラー原因を特定した後には、以下のように修正後のコードを提案してくれます。


このコードをデバッグ環境に反映して再実行すれば、エラーが解消されます。このように、ChatGPTはバグの修正にも便利です。

 

リファクタリング

プログラムの動作は問題ないものの、冗長な処理や読みづらい箇所が気になる場合もあるでしょう。ChatGPTは、リファクタリング(コードの見直し)にも役立ちます。コードに潜む冗長な処理を指摘し、より無駄のないコードを提案してくれます。

例として、やや無駄のあるPythonコードをリファクタリングしてもらいます。


すると次のように、よりシンプルな書き方を提案してくれました。このコードを実行しても動作はリファクタリング前のままですが、コードの行数を大幅に削減できます。


このように、処理を変えずにコードをリファクタリングしたい場合にもChatGPTは便利です。

 

コードの学習

ChatGPTは、コードについて学習したいときにも活用できます。コードの書き方について質問すれば回答してくれるため、新しいプログラミング言語を学ぶ際に便利です。

たとえば、Pythonを習得したエンジニアがJavaのリストについて学んでいるとしましょう。PythonとJavaにおけるリストの違いを質問してみます。


すると、次のようにポイントを整理してリストの違いを教えてくれます。


また、ChatGPTのプラグイン(拡張機能)を活用すれば、Web上にある特定のコードについて解説してもらうことも可能です。プログラム共有サービス「GitHub」などのURLを共有して指示を出すことで、ChatGPTが解説してくれます。

 

ChatGPTの回答精度を上げるコツ

 

ChatGPTをエンジニア業務で活用していると、思うような回答が得られないケースもあります。ChatGPTの回答精度を高めるために、以下で紹介する3つのコツを把握しておきましょう。

 

明確な指示を出す

ChatGPTには明確な指示を出しましょう。情報不足だったり、あいまいな表現だったりすると、ChatGPTに指示が正しく伝わりません。

たとえば「データを並べ替えるプログラムを作ってください。」という指示では、期待する回答は得られないでしょう。プログラミング言語や対象データ、並べ替え方向なども明確に指定すべきです。

 

複雑なタスクは分割して指示する

複雑なタスクは分割して指示しましょう。ChatGPTは、複雑なタスクを一度にまとめて処理することはできません。

たとえば「Pythonを使って地図アプリを作ってください。」という指示だけで、地図アプリのプログラムを完成させることは不可能です。アプリの開発には、開発ツールの選定や機能・画面仕様の検討など、さまざまなプロセスがあります。必要な作業項目を細分化して、1つずつChatGPTに指示を出しましょう。

 

カスタム指示機能を活用する

ChatGPTの「カスタム指示機能」を活用することも効果的といえます。カスタム指示機能とは、ユーザーの事前情報や求める出力方法などを追加で指示できる機能です。

カスタム指示機能は、アカウントのアイコンをクリックすると表示される「ChatGPTをカスタマイズする」から利用できます。


チーム独自のコーディングルールや、利用している開発ツールなどを指示すれば、ChatGPTがそれを加味しつつ回答してくれます。そうすれば、指示のたびに事前情報を与える手間を省略可能です。

 

ChatGPTがもたらすエンジニアの未来

 

ChatGPTなどの生成AIが普及している影響で、「仕事がなくなるのでは」という不安を抱えるエンジニアも多いのではないでしょうか。ここでは、ChatGPTがもたらすエンジニアの未来について解説します。

 

ChatGPTとエンジニアの関係性

エンジニアにとってChatGPTは、あくまで「業務を補助する」ツールです。そのため、エンジニアの仕事が完全に代替されることは考えにくいといえます。

ChatGPTの回答精度が向上したとしても、100%正しいとは言い切れません。学習データに誤りがあれば、ChatGPTが誤った回答を出力することはあり得ます。そのため、ChatGPTの活用が進んでも人間によるチェック・手直しは不可欠です。

また、クライアントとのやり取りを通して進めていく「要件定義」などの業務は、生成AIではカバーできません。こうしたコミュニケーションが発生する業務は、ChatGPTが普及したとしても人間の労力が求められると考えられます。


ただし、プログラミングなどの業務は大幅に効率化されるため、エンジニアの役割は変化していくことが予想されます。ChatGPTなどの生成AIを効率的に活用し、その価値を最大化できる人材、生成AIでは不可能なアイデアやソリューションを創出できる人材が求められるでしょう。

 

新しい職業「プロンプトエンジニア」とは?

生成AIが普及したことで、「プロンプトエンジニア」という職業も注目されるようになりました。プロンプトエンジニアとは、生成AIに与えるプロンプトの設計や最適化を行い、企業のニーズに応じた回答を引き出すエンジニアのことです。

ChatGPTなどの生成AIは、プロンプトの内容次第で出力結果が大きく変わってきます。プロンプトエンジニアは、生成AIから求める回答を引き出せるプロンプトを実現することで、企業の業務効率化を支援する存在です。

海外では、プロンプトエンジニアに高額の報酬を提示するケースが多くあります。ChatGPTが普及すれば、日本でもプロンプトエンジニアの需要は拡大するでしょう。

 

まとめ

 

人気の生成AI「ChatGPT」は、エンジニアの業務効率化や問題解決に役立つ強力なツールです。ChatGPTを活用することでコーディングを効率化でき、コードのデバッグやリファクタリングにも役立ちます。

ChatGPTなどの生成AIは、今後のIT業界でも普及が予想されます。ChatGPTを活用するスキルを身につければ、エンジニアとしての市場価値を高めることにもつながるでしょう。ChatGPTを使い始める際には、今回の内容をぜひ参考にしてください。

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