データでわかるリモートワークと運動不足の関係性

まずは、とある企業の調査データをもとに、リモートワークと運動不足の関係性について解説します。
リモートワークで身体活動量が減少
筑波大学大学院と健康機器メーカーのタニタの研究によると、リモートワークを行う人の身体活動量が減少していることが明らかになっています。この研究では、リモートワークを行う人の歩行数が減少し、着座時間が大幅に増加していることが確認されました。
リモートワークでは、自宅での勤務が一般的であるため、オフィスに通勤する際に自然と行っていた歩行や、階段の昇り降りといった日常的な身体活動が減少します。その結果、筋力低下や体重増加が懸念されています。
また、長時間にわたる着座姿勢は、血行不良や姿勢の悪化を招き、腰痛や肩こりといった身体の不調を引き起こす要因となることが示唆されています。リモートワークがもたらす運動不足は、心身の健康に多大な影響を及ぼすリスクがあるため、長時間座っているエンジニアは意識的に運動やストレッチを取り入れることが重要です。
リモートワーク実施者の7割以上が運動不足を実感
株式会社アジャイルウェアの調査によると、リモートワークを実施している人の7割以上が運動不足を実感していると回答しています。
引用:株式会社アジャイルウェア|リモートワークと運動習慣のアンケート
この調査では、リモートワークに伴い日常的な運動の頻度が減少し、長時間のデスクワークによる目の疲れや肩こりなど、身体の不調を訴える人が多いことがわかりました。
多くの人が、通勤によって生じていた軽い運動がなくなり、代わりに座っている時間が増えたことに危機感を抱いています。運動不足は、体重増加や筋力低下といった問題を引き起こし、生活習慣病のリスクを高める要因にもなり得ます。
リモートワークを継続するなかで、定期的に身体を動かしたり、意識的に姿勢を整えたりすることが、健康維持のために必要です。
リモートワークでの運動不足がもたらす悪影響

ここからは、リモートワークによる運動不足がもたらす悪影響について紹介します。自身に以下で紹介する症状が出ていないか、確認してみてください。
身体・メンタルの不調
リモートワークにおける長時間のデスクワークは、肩こりや首こりを引き起こしやすい傾向にあります。これは、モニターを見ている時間が長く、不自然な姿勢が続くことで筋肉が緊張するためです。なお、肩こりや首こりが長引くと、頭痛を引き起こすことがあります。
このような身体の不調は、仕事のパフォーマンスに悪影響を及ぼし、結果としてストレスや不安感からメンタルの不調を引き起こすでしょう。
筋力低下・体重増加
リモートワークによる身体活動量の減少は、エネルギー消費を抑え、体重が増えやすくなります。通勤や社内での移動、昼食のための外出など、日常的に行っていた運動がなくなることで、日々のカロリー消費が大幅に減少してしまいます。
さらに、筋力が低下すると姿勢が悪くなり、猫背や腰痛といった問題を引き起こすかもしれません。筋力が衰えると基礎代謝も低下し、体重管理が難しくなるという悪循環に陥る可能性があります。
生活習慣病のリスク上昇
リモートワークによる運動不足が続くと、体重増加だけでなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病にかかるリスクも高まります。長時間同じ姿勢で、身体をあまり動かさない生活は、血行不良や代謝の低下を招き、生活習慣病のリスクを高める要因となるでしょう。
また、リモートワークでは食事のタイミングが不規則になりがちです。食事のタイミングが不規則になれば、体重増加や健康リスクを引き起こす原因となります。
リモートワークにおける運動不足の解消法4選

リモートワークでの運動不足は、軽めの運動でも解消できる可能性があります。以下では、リモートワーク中に簡単に取り組める運動を4つ紹介します。快適なリモートワークを行うためにも、ぜひ実践してみてください。
ストレッチ
デスクワークでは、肩こりや腰痛が発生しやすいため、定期的にストレッチを取り入れるのがおすすめです。簡単なストレッチでも、筋肉がほぐされることで血行が促進します。たとえば、首や肩、背中をゆっくりと伸ばすストレッチは、凝り固まった筋肉の緊張を緩和できます。
ストレッチの方法は、YouTubeやWebサイトで豊富に公開されています。忙しい仕事の合間にも手軽に実践できるストレッチもあるため、気になる方は検索してみてください。
ウォーキング
ウォーキングは、特別な器具を使わずに簡単にできる運動です。リモートワーク中に積極的に外に出てウォーキングを行えば、身体を動かすだけでなく、気分転換にもなります。たとえば、昼休みや仕事の合間に短時間のウォーキングを取り入れると、血行がよくなるだけでなく、気分がリフレッシュされるでしょう。また、昼食を歩いて買いに行ったり、食べに行ったりするのもおすすめです。
ヨガ・ピラティス
ヨガやピラティスは、運動不足の解消に効果的です。これらの運動は、呼吸を整えながら体幹を鍛えることで、姿勢の改善やストレスの軽減につながります。どちらも自宅で簡単に行えるため、時間や場所を選ばずに実践可能です。
また、オンラインでヨガやピラティスのレッスンを受けられるサービスも多く提供されています。自分に合ったレベルやスタイルのレッスンが選べるため、ストレスが少なく取り組めるでしょう。
ジム通い
フィットネスジムやトレーニングジムに通うことで、運動不足を解消できます。ジムでは専用の器具を使って、効率よく全身を鍛えられるため、筋力低下や体重増加を防げます。
また、ジムによってはプロのトレーナーが在籍しており、個々の体力や目標に合わせたトレーニングメニューを提供してもらえます。費用はかかりますが、健康管理やリフレッシュのための投資と考えると、その価値は十分にあるでしょう。ジム通いを習慣化することで、リモートワークでの身体の不調を効果的に予防できます。
リモートワークの運動不足解消におすすめのアイテム3選

リモートワークでの運動不足を解消するために、専用の器具を取り入れるのも効果的です。ここでは、自宅で手軽に使えるおすすめのアイテムを3つ紹介します。
バランスボール
バランスボールは、座るだけで体幹を鍛えられる優れたアイテムです。リモートワークの休憩中に使用できるため、取り組むまでのハードルが高くありません。バランスボールを取り入れることで、腹筋や背筋を鍛えられます。
また、バランスボールに座って弾むだけでも体幹を鍛えられるため、運動が苦手な方や、日常的に身体を動かす習慣をつけたい方におすすめのアイテムといえます。
ダンベル
ダンベルは、自宅でも手軽に取り組める筋力トレーニング用のアイテムです。サイズがコンパクトで場所を取らないため、自宅で保管できるでしょう。
ダンベルは、一般的に腕のみを鍛えるアイテムと認識している方もいますが、工夫次第では全身を鍛えられます。全身の筋肉量が増えることで、基礎代謝が上がり、太りにくい身体づくりに役立ちます。ダンベルは、負荷を調整できるため、初心者から上級者まで自分のレベルに合わせたトレーニングが可能です。自宅での運動不足を感じている方には、ダンベルを使ったトレーニングを日課にすることをおすすめします。
ステッパー
ステッパーは、デスクワーク中でも簡単に下半身が鍛えられるアイテムです。床に置いて足を動かすだけで、階段を上るような運動ができ、太ももやふくらはぎ、さらにはお尻の筋肉を鍛えられます。
デスクワーク中は座りっぱなしになりがちですが、ステッパーを使えば、仕事をしながらでも足腰の筋力を鍛えられます。さらに、足を動かすことで血流が促進され、むくみの予防や疲労回復にもつながります。スペースを取らず、静かな操作音であるため、自宅でも気軽に使用できるのも魅力です。
リモートワークでの運動不足解消に取り組む際のポイント

リモートワークでの運動不足を解消するには、簡単なエクササイズやストレッチを日常に取り入れることが大切です。運動を継続するためにも、以下で紹介するポイントを考慮したうえで取り組むようにしましょう。
最初は簡単な方法から始める
リモートワークで運動不足を解消する際、最初から高額な器具やジム会員費に投資するのは避けるべきです。なぜなら、いきなり負担の大きい方法を選んでしまうと、継続できずに費用を無駄にしてしまうリスクがあるためです。まずは、自宅でできる簡単なストレッチや軽いエクササイズから始めて、運動習慣を身につけましょう。
また、楽しみながら運動を続けたい場合は、Nintendo Switchのようなゲーム機で提供されている運動ソフトを利用することをおすすめします。ゲーム感覚で行えるため、楽しみながら運動不足を解消できます。
適度な休息を入れる
運動は健康維持のために必要です。しかし、いきなり負荷が大きい運動をしてしまうと、健康を損なうリスクがあります。そのため、適度な休息を入れながら運動することが重要です。
運動を数年ぶりに行う方は、ウォーキングやストレッチで身体を慣らしましょう。いきなり負荷がかかる運動を行えば、筋肉や関節に負担をかけ、怪我の原因になります。そのため、無理はせずに、適度な休息を取り入れることが大切です。
身体のコンディションと相談する
リモートワーク中に感じる肩こりや腰痛といった身体の不調がある場合、無理をして運動を行えば怪我や状態の悪化につながるリスクが高まります。
そのため、身体のコンディションがよいときに、運動を行うことが大切です。体調が優れない日や疲労が溜まっているときには、無理をせずに休息を取り、体調が回復してから再開するのが賢明です。自分の身体と向き合い、健康的に運動を続けることが大切です。
まとめ

リモートワークが増えると、通勤や移動が減り、運動不足になりやすくなります。運動不足が続くと、生活習慣病を引き起こすリスクが高まります。運動不足を解消するには、適度な運動を日常に取り入れることが大切です。
とはいえ、多忙により運動時間が確保しにくい方も多いでしょう。その場合、リモートワークの休憩時間に取り組める運動から始めることをおすすめします。健康維持のためにも、運動を習慣化しましょう。