デスクワークなどで足のむくみを感じるメカニズム

デスクワークで足がむくんでしまう原因として、ふくらはぎの筋肉を使わないことで、老廃物が足に停滞してしまうことが挙げられます。
ふくらはぎの筋肉は、足へ下がった血液を心臓に戻すポンプのような役割を果たしています。しかし、長時間座ったままの状態だと、このポンプ作用が低下し、血液やリンパ液の流れが悪くなって、足がむくみやすくなるのです。
さらに、椅子の高さが合っていない場合もむくみの原因となります。たとえば、椅子が高すぎると足裏が床につかないため、筋肉が緊張し、血流が悪くなります。一方で、椅子が低すぎると足首が曲がり、血液やリンパ液の流れが滞ってしまいます。
また、ストレスや水分不足、運動不足もむくみの原因です。ストレスが溜まると血管が収縮し、血流が悪くなり、むくみやすくなります。水分不足や運動不足も同様に、血流やリンパの流れを悪化させるため、むくみを引き起こしてしまいます。
このように、デスクワークで足がむくむのは、さまざまな要因が絡み合っているためです。
デスクワークで足がむくむ詳しい原因

デスクワークによる足のむくみは、さまざまな要因が絡み合っています。以下では、原因についてより詳しく見ていきましょう。
長時間の同じ姿勢
長時間同じ姿勢で座っていると、ふくらはぎの筋肉をほとんど使わなくなります。先述した通り、ふくらはぎの筋肉は、血液やリンパ液を心臓に送り届けるポンプのような役割を持っていますが、このポンプ作用が低下すると、血液やリンパ液が足に滞留しやすくなります。その結果、足がむくんでしまうのです。
これを防ぐには、こまめに足を動かし、筋ポンプ作用を活性化させることが重要です。たとえば、デスクワーク中でも、定期的に立ち上がって軽いストレッチを行うようにしましょう。1時間に1回立ち上がって足を伸ばすだけでも、むくみの予防になります。
椅子の高さが合っていない
椅子の高さが合っていない場合も、足がむくむ原因の1つです。たとえば、椅子が高すぎると足裏が床にしっかりつかず、ふくらはぎの筋肉が緊張してしまいます。一方で、椅子が低すぎると足首が曲がり、血液やリンパ液の流れが滞ってしまいます。
デスクワークを行う際は、自身の体に合った椅子の高さに調整することが大切です。適切な椅子の高さを見つけるには、「膝が直角(90度)になる」高さを目安にしましょう。足が床につく高さに座ることで、足の血行を良好に保ち、むくみを防げます。また、どうしても椅子を高い位置に調整する必要がある場合は、足置きを使うことをおすすめします。
仕事のストレス
仕事のストレスも、足がむくむ原因の一つです。ストレスを感じると、体内でストレスホルモンが分泌され、血管が収縮します。この血管収縮により、血液やリンパ液の流れが悪くなってしまい、血液が上手く循環しないため、むくみを引き起こします。
また、ストレスはホルモンバランスの乱れを引き起こし、さらにむくみを悪化させることがあります。ストレスを軽減するには、趣味や運動で気分転換を図ることが効果的です。たとえば、休日には趣味に没頭したり、1日1時間ほどの軽い運動を取り入れたりするなど、日常的にストレス管理を行うことが重要です。
水分不足
水分不足になると、体が自然に体内の水分をため込もうとしてむくみを引き起こします。デスクワーク中は、集中すると水分補給を忘れてしまいますが、こまめに水分をとることを心がけましょう。
こまめに水分をとることで、血液やリンパ液の流れを良好に保ち、むくみの予防につながります。しかし、カフェインの多いコーヒーなどの飲み物は利尿作用があり、水分を排出してしまうため、過度な摂取は控えるようにしましょう。
水分補給には、水やノンカフェインのお茶などを選び、1日を通じて少しずつ水分をとるように心がけることが大切です。
運動不足
デスクワークを行う人は、運動不足に陥っている傾向にあります。運動不足になると、ふくらはぎの筋肉が弱くなり、血液やリンパ液を押し上げる力が低下します。そのために、足がむくみやすくなるのです。
日常生活に運動を取り入れることで、むくみを予防することが可能です。たとえば、通勤時に少し遠回りをして歩いたり、エレベーターではなく階段を使ったりするなど、簡単な方法で十分な効果を得られます。
また、オフィス内でできる簡単な筋トレやストレッチもおすすめです。足のむくみに悩むエンジニアの人はぜひ実践してみてください。
デスクワーク中にできるむくみ解消ストレッチ・マッサージ

ここからは、デスクワーク中に行えるむくみ解消法について紹介します。むくみを放置すれば、静脈血栓症などの病気を誘発させてしまう可能性があるため、以下で紹介する内容をこまめに実践するようにしましょう。
足指のストレッチ
まずは椅子に座り、裸足の状態で膝を閉じてかかとを上げましょう。次に、足の指を内側に折り込み、足の甲を伸ばすようにして、指の付け根に軽く体重をかけます。

その後、足の指を反対側に曲げ、つま先立ちを行います。親指から小指まで均等に体重をかけて、指の根元をしっかりと伸ばします。
このストレッチは、足指の血の巡りを促進できるため、むくみの解消に効果的です。特に、デスクワーク中は、足指を動かす機会がないため、定期的にこのストレッチをすることで血の巡りを促進し、むくみを予防できます。
ふくらはぎのストレッチ
椅子に座ったまま、かかとを床につけ、指先を上に少しずつ上げます。ふくらはぎが伸びるのを感じながら、左右交互にテンポよく、5秒ずつ行います。最後に片足ずつ、床につま先をつけた状態で、足首をぐるぐる回しましょう。
ふくらはぎは「第2の心臓」と呼ばれ、血液やリンパ液の流れに重要な役割を果たします。このストレッチを行うことで、リンパの流れがよくなり、むくみの解消につながります。
数分間行うだけで、足の疲れが軽減され、むくみの予防にもなります。定期的に行うことで、効果を実感できるでしょう。
足裏マッサージ
椅子に座ったまま、マッサージボールを踏み転がします。足裏のマッサージを行う際は、「湧泉」というツボを刺激することが大切です。このツボを刺激することで、体全体の血行がよくなり、むくみの解消につながります。

また、マッサージボールがない場合、ゴルフボールで代用可能です。座りながら手軽に行えるマッサージであるため、一度実践してみてください。
デスクワークのむくみ対策におすすめのグッズ

次に、デスクワークによる足のむくみを軽減するために、効果的なグッズを紹介します。以下で紹介するグッズを取り入れることで、むくみを予防し、快適に仕事を行えます。
着圧ソックス
着圧ソックスは、ふくらはぎを適度に圧迫することでリンパの流れを促進し、むくみの解消につながります。デスクワーク中に履けば、長時間座っている際の血液循環を改善し、足のだるさやむくみを防ぐことが可能です。
さらに、足全体をサポートすることで疲れにくくなり、快適な環境で仕事に取り組めます。着圧ソックスを選ぶ際は、着圧の強さや素材、デザインなど、自分の好みに合わせて選ぶようにしましょう。
低反発のクッション
低反発のクッションは、デスクワーク中の座り心地を向上し、足のむくみを防ぐのに効果的です。低反発素材は、体の形に合わせてフィットするため、お尻や太ももにかかる圧力が分散され、血液やリンパの流れが改善されます。
さらに、正しい姿勢を保つ手助けもしてくれるので、長時間のデスクワークでも快適に過ごすことが可能です。オフィスの椅子や自宅での作業用椅子に取りつけるだけで、簡単に効果を感じられます。特に、エンジニアとして集中して作業する時間が長い人には、低反発のクッションを使うことで、体への負担を軽減することも可能です。
足置き
足置きは、足を適切な高さに保つグッズであり、足のむくみを防ぐ効果があります。デスクワーク中に足が床にしっかりとつかない場合や、椅子の高さが合っていない場合に使用すると効果的です。
足置きを使用することで、ふくらはぎの筋肉が緊張せず、血液やリンパ液の流れが改善されます。特に、長時間座っているときは、足の位置を適切に保つことが重要です。足置きにはさまざまな種類がありますが、調節可能なものやクッション性のあるものが特におすすめです。
デスクワーク中の足のむくみがひどい場合は?

デスクワーク中に足のむくみが徐々にひどくなる場合や、足以外の部位にもむくみが現れる場合は、循環器内科を受診することをおすすめします。むくみが続くと、体内の血液やリンパ液の流れに問題がある可能性があるため、専門医の診断が必要です。
特に、足にコブのような膨らみが見られる場合は、下肢静脈瘤の可能性があります。下肢静脈瘤は、静脈の弁が正常に機能しなくなることで血液が逆流し、血管が膨張してしまう病気です。
早期に治療を受けることで、症状の悪化を防ぐことができます。エンジニアとして健康を維持するためにも、むくみが気になる場合は専門医に相談しましょう。
まとめ

デスクワーク中の足のむくみは、長時間同じ姿勢でいることや椅子の高さが合わないこと、で、血液やリンパ液の流れが悪くなって引き起こされます。しかし、簡単なストレッチやマッサージなどを行い、血流を改善することでむくみを解消することが可能です。
むくみの解消が期待できる、着圧ソックスや低反発のクッション、足置きは、デスクワーク中でも簡単に使えるので、ぜひ試してみてください。また、むくみがひどくなる場合は、専門医の診察を受けるようにしましょう。
これらの対策を実践して、快適なデスクワークライフを過ごしてください。