リモートワークに最低限必要なデスク環境とは?

リモートワークは、パソコンとインターネット環境さえあれば可能です。しかし、仕事中に家族が話しかけてきたり、生活音が気になったりと、リモートワークならではの悩みを抱えることが少なくありません。
また、リモートワーク中は仕事とプライベートを分けることが難しく、勤務時間外でも仕事のことを考えがちです。意識的に休息の時間を設けなければ、作業効率の低下につながるうえ、ストレスや疲労が溜まりやすくなります。
集中力を持続させるためには、デスク環境を整えることが大切です。集中力を妨げる要因を明らかにし、リモートワークを快適に行うための対策に取り組む必要があります。
リモートワークで快適に過ごせるデスク環境の考え方
リモートワークで集中力を維持させるためには、デスク環境の整備が欠かせません。以下では、リモートワークを快適に進めるために必要なデスク環境について解説します。
体への負担が少ない
リビングのテーブルや椅子で長時間作業することで、肩こりや腰痛に悩む人は少なくありません。一般的なオフィス用デスク・椅子と比べると、リビングのテーブルは低く、椅子は高い傾向にあるためです。
テーブルが低いと猫背になりやすく、背中に負担をかけることがあります。また、高い椅子で作業を続けると足の痺れやむくみの原因につながるため、注意が必要です。
加えて、首が前に傾きすぎていたり腰が曲がっていたりと、間違った座り方を続けることで、肩こりや腰痛を引き起こしやすくなります。体への負担を減らすためには、家具選びを工夫するだけでなく、正しい座り方への理解も深めましょう。
静かで邪魔が入らない
リモートワークを進めるなかで、家族の話し声やペットの鳴き声、テレビの音などにより、集中力が切れてしまうことがあります。効率的に仕事を進めるのであれば、家族やペットとは別の部屋で作業することが望ましいです。
部屋を分けることが難しい場合、パーテーションを設置する、家事・仕事の時間帯を事前に決めるなどの対策を行うことで、生活音を気にせずに作業しやすくなります。
また、WEB会議で使用するマイクは、ノイズキャンセリング機能が搭載されているものがおすすめです。周囲の雑音が聞こえにくくなることで、相手の声が聞き取りやすくなり、スムーズに会議を進められるようになります。
気が散る要素がなく、集中しやすい
とある調査によると、デスク周りが散らかっている人はストレスや不安を引き起こしやすく、集中を削がれやすいという研究結果が出ています。
リモートワークのパフォーマンスを高めるためには、デスク周りをすっきりとさせることが不可欠です。仕事に関係ないものがデスクに置かれていると、作業スペースが狭くなり、仕事の効率が低下しやすくなります。
デスク周りが散らかっていると感じる人は、デスクに置いている文房具や本などの利用頻度を見直し、整理してみましょう。今必要なものだけをデスクに残すことで、作業効率の上昇につながり、リモートワークで快適に過ごしやすくなります。
オン/オフを切り替えやすい
リモートワークを導入したことで、オン・オフの切り替えが難しくなった人は多いといわれています。休憩時間も作業スペースで過ごすと、仕事用のパソコンや資料が目につくことから、十分な気分転換ができません。
リモートワークの作業効率を上げるためには、作業スペースと生活スペースを分けることが理想的です。部屋分けが難しい場合、休憩時間や業務終了後はデスクから物理的に離れましょう。生活空間に作業スペースがあるケースでは、外出することで気分を切り替えやすくなります。
また、仕事が終わった後はパソコンを片付ける・プライベートの時間はパソコンを一切触らないといった方法でも、オン・オフの切り替えが可能です。
理想のリモートワーク環境を整える便利グッズ

作業スペースの家具やレイアウトを大きく変えることが難しい人は、現在のデスク環境を生かしながらよりよい環境をつくる工夫が必要です。
以下では、リモートワーク環境を整えるために用意したい5つの便利グッズを解説します。
ノートPCスタンド
ノートパソコンを使用する際の姿勢がつらいと感じる人は、ノートPCスタンドの活用がおすすめです。ノートPCスタンドがあれば、ノートパソコンとデスクの距離を離せるうえに、画面の高さを調節できます。首や腰への負担が減るため、長時間の作業による肩こりの防止につながる点がメリットです。
ノートPCスタンドは大きく分けると、折りたたみ式と据え置き式の2種類があります。持ち運びやすさを重視する場合、コンパクトにできる折りたたみ式を選びましょう。
クッション・フットレスト
普段のリモートワークで使用している椅子の高さが合わないと感じる人は、座面にクッションを取り付けて適切な高さに調整しましょう。また、床にフットレストを設置することもおすすめです。
フットレストを使用すると、膝や太ももの負担が減ることから、血行を改善する効果が期待できます。
なお、クッションやフットレストを活用する場合は、設置後の安定性をチェックしましょう。安全性を保ちながら、作業の効率化を図ることが大切です。
可動式パーテーション
作業スペースと生活スペースを視覚的に遮断したい場合は、パーテーションがあると便利です。使い勝手のよさを重視するなら、可動式パーテーションがおすすめです。設置場所を自由に変更できるため、用途に応じて簡単に移動できます。

また、会議や通話が多い人は、防音性が備わっているタイプも検討しましょう。パーテーションは、オンライン会議を行う際の背景としても活用できます。卓上タイプのパーテーションであれば、リビングでも利用可能です。
卓上収納スタンド
卓上収納スタンドも、リモートワークの効率化に役立つ便利グッズです。作業に必要なものをコンパクトに収納できるスタンドを組み立てることで、デスク周りを片付けやすくなります。

小さな穴が空いている「有孔ボード」を使い、機能を自分好みにカスタマイズすることがおすすめです。有孔ボードに取り付けたフックの位置は、自由に移動できます。専用のフックを取り付けて、自分好みにディスプレイしましょう。
サイドワゴン
会議用ガジェットや古い書類などをデスクの上に放置すると、リモートワークのパフォーマンスが低下しやすくなります。使う時はすぐに手が届き、普段は収納できるサイドワゴンがあると便利です。
可動式でキャスターが付いているタイプであれば、不使用時にデスクの下や壁側に収納できます。掃除の際には簡単に移動できるため邪魔になりません。
エンジニアに学ぶリモートワークに最適なデスク環境とは?

以下では、在宅で作業が長時間に及ぶこともあるエンジニアが実際に使用している4つのアイテムについて解説します。エンジニアの愛用するアイテムを有効活用することでリモートワークを快適に進めることが可能です。
高さ調節可能なデスク・チェア
高さが合わないデスク・チェアを使い続けると肩こりや腰痛の原因につながります。身体への負担を減らすためには、高さを調節できるデスクやチェアの活用がおすすめです。昇降可能なデスクを導入することで、楽な姿勢をキープしやすい高さに調整できます。
長時間座ったままでの作業が苦痛だと感じる人は、立った姿勢で作業できるスタンディングデスクも検討しましょう。パソコンの画面と目線が同じ高さになるため、正しい姿勢を維持しやすく、肩や腰の負担を軽減できます。
仕事用の追加モニター
エンジニアは作業効率を上げるために、マルチディスプレイを導入しているのが一般的です。同時に2つの画面を表示できるため、WEB会議を行いながらメモを取る・2つの資料を比較するなどの使い方が可能です。
また、エンジニアの業務のなかには、縦画面で作業するほうが効率が高まるものもあります。片方のパソコンを横画面に、もう片方のパソコンを縦画面にするためには、高さや向きを自由に調整できるスタンドを使用することがおすすめです。
ディスプレイを取り付けるためのアームが2本備わっている、デュアルディスプレイ対応のスタンドも検討しましょう。
リストレスト・パームレスト
リストレストやパームレストは、打鍵時の手首の反りによる痛みを和らげることを目的としたクッションです。キーボードの前にリストレストやパームレストを設置し、手首を水平に保つことで、手首や手のひらの疲労を和らげます。
リモートワークでキーボードを使用する頻度が高いエンジニアは、知らないうちに手首に負担をかけてしまいがちです。手首に負荷がかかっている状態が続くと、腱鞘炎を引き起こす可能性もあります。
リストレストやパームレストがあれば、キーボードを長時間使用しても腕が疲れにくくなります。素材によって価格や使用感が異なるため、自身に合うものを選びましょう。
使いやすいキーボード
キーボードは、プログラミングを行うエンジニアにとって欠かせないアイテムです。リモートワークにおいて、オフィスワークと同程度の作業パフォーマンスを維持させるために、キーボードにこだわりを持つエンジニアは多いといわれています。
持ち運びやすさ・デザイン性・周辺機器の充実度など、さまざまな機能や特徴に注目しながら、自身の好みに合うキーボードを選びましょう。
なかには、左右に分離しているタイプのキーボードを活用するエンジニアもいます。自身の肩幅に合わせてキーボードを操作できるため、長時間使用しても疲れにくい点がメリットです。
まとめ

リモートワークはオン・オフの切り替えが難しく、家族の話し声や生活音が気になることから、集中力を持続させることが難しい働き方といえます。
リモートワーク時はデスク環境を見直すことで、作業の効率化を図れます。特に作業が長時間に及ぶことが多いエンジニアは、高さの調節が可能な椅子や手のひらを保護するためのクッションなど、身体への負担を減らすグッズを導入しています。エンジニアのデスク環境を真似することで、他の業種のリモートワークにおいても健康やパフォーマンスの維持を期待できます。
本記事を参考に、快適なリモートワークのデスク環境を実現してください。