好かれる人の話し方:言語編

まずは、「言語的要素」に焦点を当てた、好かれる人の話し方におけるポイントを解説します。ここでは、次の3つに分けて見ていきましょう。
- 言葉づかい
- 言葉選び
- 話題選び
- 話の構成
言葉づかい
相手に好印象を与えるためには、言葉づかいがとても大切です。相手の立場や関係性に合わせた丁寧な言葉を使い、相手に敬意と配慮を示しましょう。たとえば、友人とのカジュアルな会話では、感情的な表現を使うことが多いですが、ビジネスシーンでは、フォーマルで慎重な言葉づかいが求められます。
言葉づかいの例
・友人との会話「昨日の映画、めっちゃ面白かった!」
・ビジネスの会議「昨日の映画は非常に興味深かったです」
このように、相手の立場や場面に応じて、適切な語彙を使うことが大切です。そのためには、豊富な語彙力が欠かせません。普段から幅広いジャンルの本を読んだり、積極的に会話をしたりして、言葉の引き出しを増やしましょう。
言葉選び
人間関係をより良くするためには、言葉の選び方にも気を配ることが大切です。ネガティブな言葉ではなく、ポジティブな言葉を選ぶことで、チーム内の雰囲気が良くなり、協力関係が深まります。
たとえば、「できる」「素晴らしい」といった肯定的な表現は、相手を勇気づけるとともに、チームワークの向上にもつながります。逆に「それは無理だと思う」や「そのアイデアは意味がない」といった否定的な表現を使うと、相手のモチベーションを下げたり、信頼が薄れたりする可能性があります。
言葉選びでは、相手を尊重した表現を心がけることが重要です。改善点を指摘するのではなく、相手を励ますような言い回しを心がけましょう。
話題選び
話題選びは、会話を盛り上げるために必要です。まずは相手の話をしっかり聞き、何に興味を持っているかを見極めましょう。そして、相手が興味を持っている話題を選んで掘り下げることで、会話が広がりやすくなります。
相手の話の中で気になる部分があれば、掘り下げて質問するのも効果的です。たとえば、相手の趣味について始めたきっかけなどを掘り下げるとよいでしょう。また、褒められるポイントがあれば積極的に褒めることも大切です。
会話は独りよがりではなく、相手とのキャッチボールです。相手が心地よくなれる話題選びによって、スムーズな会話のキャッチボールが可能となるでしょう。
話の構成
話の構成は、自分の考えを相手に分かりやすく伝えるために重要となります。ポイントは、話の要点を絞り結論から話すことです。そうすることで、相手が話の全体像を把握しやすくなり、スムーズに聞きやすくなります。
ただし、話の内容が抽象的だとイメージしづらいため、具体例を盛り込んで相手に伝わりやすくしましょう。
話の構成を作るための手法はさまざまですが、「PREP法」が効果的です。Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(結論)の順に話を組み立てます。これによって伝わりやすく、説得力のある話の構成を作ることが可能です。
好かれる人の話し方:聴覚編

次に、「聴覚的要素」に焦点を当てた、好かれる人の話し方におけるポイントを解説します。ここでは、次の3つに分けて見ていきましょう。
- 声のトーン
- 声の大きさ
- 話すスピード
声のトーン
声のトーンは、話し方の印象を大きく左右します。基本的には、適度に明るいトーンで話すように努めましょう。親しみやすさや安心感を与え、会話の雰囲気を明るくすることが可能です。具体的には、ドレミファソラシドの「ソ」の音程あたりを心がけるとよいといわれています。
ただし、常に明るいトーンだと状況によっては違和感を与えてしまいます。悲しい話や深刻な話のときは少し落ち着いたトーンにするなど、状況に応じて声のトーンを調整しましょう。
また、聞き手を飽きさせないように声のトーンに抑揚をつけるのも効果的です。重要なポイントを話す際には、少しトーンを強めたり穏やかな部分ではトーンを下げたりしましょう。話にリズムやメリハリが生まれ、聞き手を惹きつけやすくなります。
声の大きさ
声の大きさは、不適切だと話し手の印象を下げやすいポイントです。基本的には、大きすぎず小さすぎず、ちょうどよいボリュームを心がけましょう。声が大きすぎると威圧感を与え、声が小さすぎると意思疎通がしづらくストレスを与えてしまいます。相手が無理なく聞き取れる声の大きさにすることで、悪印象となるのを防ぐことが可能です。
また、声の大きさはTPO(時間・場所・場合)に応じて調整することも重要です。たとえば、公共の場では控えめな声量、大勢の人がいる場面では大き目の声量など必要に応じて調整しましょう。
話すスピード
話すスピードは、聞きやすさや印象を大きく左右する要素です。早口になると伝わりづらいうえに、せっかちな印象を与えてしまいます。早口にならないよう、少しゆっくり目を心がけるとよいでしょう。
とくに重要な話を伝えたい場合は、適切な間を置いて1語ずつ丁寧に発音する意識を持つことが大切です。聞きやすいスピードで話すことでコミュニケーション上の問題を防止でき、相手に好印象を与えられます。
好かれる人の話し方:視覚編

続いて、「聴覚的要素」に焦点を当てた、好かれる人の話し方におけるポイントを解説します。ここでは、次の3つに分けて見ていきましょう。
- 聞き方
- 表情
- 身振り手振り
聞き方
会話中は相手が話しているときの聞き方も意識しましょう。相手の話にしっかり耳を傾ける姿勢を示し、相手に安心感を与えることが大切です。
相手のほうを向いて話を聞き、「話を聞いている」という事実を印象づけましょう。相手が話しているときは、適度なタイミングで相槌を打つのが効果的です。また、自分が話す場合は、相手の話が終わってから話し始めましょう。
表情
表情は、聞き手の感情を伝える重要な役割を果たします。基本的には自然な笑顔を心がけ、相手に安心感や親しみやすさを与えましょう。無理な作り笑いは不要ですが、柔らかい表情を意識するだけでも印象が大きく変わります。
また、相手の話の内容に合わせて表情を変えることも大切です。たとえば、ビッグニュースには驚いたような表情を見せると、話をしっかり聞いている姿勢が伝わります。表情を有効活用し、言葉では伝えきれない感情を表現しましょう。
身振り手振り
身振り手振りは、コミュニケーションに躍動感をもたらす要素です。話の内容に合わせた身振り手振りを取り入れることで、会話の雰囲気が明るくなるだけでなく話も伝わりやすくなります。
手を使って繊細に表現することで、言葉だけでは伝わりにくいニュアンスを補えます。ただし、過度な身振り手振りは不自然に感じられることもあるため、自然な範囲で取り入れることを心がけましょう。
嫌われる人の話し方とは?
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好かれる人の話し方を目指すうえでは、嫌われる人の話し方も把握しておきましょう。嫌われる人の話し方の特徴は主に次の3つです。
- 否定から入る
- 相手の話をさえぎる
- 頭で整理せずに話す
否定から入る
話し始めが「いや」「でも」といった否定から始まる人は、悪印象を与えやすいです。否定から入ると、相手は自分の意見や感情を否定されているように感じ、気分が悪くなります。
否定の言葉自体、できる限り使わないことが理想です。仮に否定的なメッセージを伝えなければならない場合でも、まずは相手の意見や感情に理解を示しましょう。そのうえで、自分の意見を伝えることが大切です。
相手の話をさえぎる
自分の意見を主張しようとするあまり、相手が話している途中で話し始めるのはNGです。相手の話をさえぎると、相手は「自分の意見が軽視された」と感じて不快感を覚えます。
相手の話を最後まで聞き、話が終わったあとに自分の意見を話し始めることが大切です。相手の話を最後まで聞くことで、相手の意見を尊重する姿勢を示しつつ、齟齬のないコミュニケーションが可能となります。
頭で整理せずに話す
頭の中で整理せず、五月雨式に話すのはNGです。情報が散漫となって本質的な部分が伝わりづらくなり、相手に混乱やストレスを与えます。また、思いついたままに話すと、相手を傷つける軽率な発言もしやすくなります。
そのため、思いついたことを順番に話すのではなく、まずは自分の言いたいことを整理しましょう。そのうえで、要点を論理的に伝えることが大切です。
好かれる人の話し方を目指すための方法
好かれる人の話し方を目指すための方法としては、次の3つがおすすめです。
- 本でコツをつかむ
- 人との会話で実践する
- スクールやセミナーを利用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
本でコツをつかむ
話し方やコミュニケーション術に関する本を読み、コツをつかみましょう。書籍には、相手に好印象を与えるための言葉づかいや話題選びなどのコツが解説されています。有用な知識を本で吸収することで、効率的な実践が可能です。
たとえば「好かれる人は話し方が9割」という本では、良好な人間関係を築くための対話ルールが具体的に解説されています。こうした本からコツを吸収するとよいでしょう。自分に合った本を見つけて、少しずつ学びを深めていくことが大切です。
人との会話で実践する
本などでコツを押さえたうえで、人との会話で実践しましょう。話し方を上達させるためには、積極的に実践を繰り返していく必要があります。学んだコツを意識しながら実際に会話の経験を重ねていくことで、自然に好かれる話し方が身についていきます。
また、自分の話し方に対するフィードバックを得ることも重要です。近しい友人や家族などに意見をもらったり、自分の話し方を録音して自己分析したりするとよいでしょう。
スクールやセミナーを利用する
効率的に話し方を上達させるためには、話し方やコミュニケーションに特化したスクールやセミナーを利用するのもおすすめです。スクールやセミナーでは、話し方やコミュニケーション術を熟知したプロから、専門的なアドバイスをもらえます。
スクールやセミナーであれば実践経験を積みやすく、迅速にフィードバックを得られるのも強みです。ある程度の費用はかかるケースが多いものの、効率性や確実性を重視したい方に適しています。
まとめ
好かれる人の話し方を実現するためには、言語、聴覚、視覚の3要素をバランスよく活用することがポイントです。言葉づかいや声のトーン、表情など、さまざまな要素を見直しましょう。
好かれる人の話し方を目指す際には、本などでコツをつかみ、実践経験を重ねることが大切です。効率的に話し方を上達させたい場合は、スクールやセミナーの活用も有効といえます。自分に合う方法を取り入れて、好かれる人の話し方を目指しましょう。