男性の体臭対策は必要?

「そもそも男性は体臭対策すべきなのか」と感じる方もいるでしょう。しかし、あらゆる男性にとって体臭対策は重要といえます。全ての人には体臭のリスクがありますが、とくに男性は体臭のリスクが高い傾向にあります。
男性は女性に比べて、汗の量や皮脂量が多いといわれています。詳細は後述しますが、汗や皮脂は体臭の代表的な原因です。適切な対策を講じなければ、年齢に関わらず体臭が強くなり、周りに嫌な思いをさせてしまうかもしれません。
また、適切な体臭対策によって不安が減り、本人も自信を持って日々を過ごせるようになります。男性にとって体臭対策は周囲のためにも自分のためにも必要です。
男性の体臭を引き起こす主な原因

男性が適切な体臭対策を講じるために、まずは原因を把握しておきましょう。男性の体臭を引き起こす主な原因として次の5つが挙げられます。
- 汗腺からの分泌物
- 皮脂腺からの分泌物
- 食生活による影響
- 加齢による変化
- 病気による体臭
それぞれ詳しく見ていきましょう。
汗腺からの分泌物
男性に限らず、体臭は汗腺からの分泌物によって引き起こされることが多いです。ただし、基本的には汗そのものに臭いはありません。汗腺からの分泌物が常在菌(身体表面の細菌)と反応することで、特有の体臭が発生するのです。
汗腺には、体温調節などを担う「エクリン汗腺」と、フェロモンと関連がある「アポクリン汗腺」の2種類があります。汗腺が集中している脇やプライベートゾーン、足の裏などは分泌物が多くなり、体臭の原因となりやすいです。また、一般的に「ワキガ」と呼ばれる体臭の一種は、主にアポクリン汗腺からの分泌物が原因といわれています。
男性は、女性と比べて汗腺からの分泌物が多い傾向にあるため、汗対策は重要です。
皮脂腺からの分泌物
皮脂腺からの分泌物も、代表的な体臭の原因です。皮脂腺も汗腺と同じく身体に数多く存在しており、皮脂によって潤いを保つなどの役割があります。皮脂腺から分泌された皮脂が空気に触れて酸化することで、特有の体臭を発生させます。
また、主に30~40代に増加する「ミドル脂臭」は、主に皮脂腺からの分泌物によって引き起こされるものです。後頭部や首周りには皮脂腺が多く存在し、古い油のような臭いを放ちます。男性は皮脂腺からの分泌物も、女性と比べて多くなる傾向があるため注意が必要です。
食生活による影響
男性の体臭は、食生活の影響を大きく受けます。食べ物に含まれる成分が体内で分解されると、汗腺や皮脂腺からの分泌物にも含まれるためです。偏った食生活を続けていると、分泌物の質や量が変化し、体臭が強くなることがあります。
また、食生活の乱れによる腸内環境の悪化も体臭に影響します。腸内で悪玉菌が多くなると体臭の原因となる毒素が発生しやすくなり、血液を介して体外に排出されて毒素が汗や皮脂に混ざることで体臭が強くなってしまいます。
とくに、動物性たんぱく質や脂肪、硫黄成分などが多く含まれる食べ物を頻繁に摂ると、体臭が強くなりやすいです。生まれ持った体質だけでなく、食生活にも注意が必要なことを知っておきましょう。
加齢による変化
加齢による変化も体臭の原因です。とくに、多くの中高年を悩ませる加齢臭は、「ノネナール」と呼ばれる物質によって引き起こされます。加齢臭は、古本や枯れ草のような臭いであることが特徴的です。
ノネナールは体内の「過酸化脂質」と、「パルミトレイン酸」と呼ばれる皮脂中の成分の酸化によって発生します。加齢によってパルミトレイン酸の分泌量が増えたり、過酸化脂質が作られやすくなったりします。こうした変化によってノネナールの発生が加速してしまい、加齢臭を引き起こすのです。
加齢による体臭の変化は避けられない部分もありますが、後述する対策を取り入れることで抑制は可能です。
病気による体臭
特定の病気を患っている場合、体臭となって表れることがあります。体臭に影響を与えやすい代表的な病気と原因は以下のとおりです。
病名 | 臭いの特徴 | 原因 |
多汗症 | 強い汗臭、湿った臭い | エクリン汗腺の機能異常によって過剰に汗をかき、細菌と反応した汗から体臭が発生する。 |
肝臓病 | アンモニア臭 | 肝機能の低下により、体内のアンモニアが適切に分解されず、体臭を発生させる。 |
投票病 | 甘酸っぱい臭い | 血糖値が高い状態が続き、「ケトン体」と呼ばれる化合物が発生し、体臭を発生させる。 |
こうした病気による体臭の場合は、医療機関で適切な治療を受けることが大切です。健康面に不安がある方や、ほかに思い当たる原因がない方は病気も疑いましょう。
男性におすすめの体臭対策5選

男性の体臭にはさまざまな原因がありますが、いずれも適切な体臭対策によって改善・解消することが可能です。ここでは、男性におすすめの体臭対策を5つ紹介します。
- デオドラントスプレーの利用
- シャワー・入浴の徹底
- 衣類のケア
- 食生活の見直し
- 医療によるサポート
それぞれ詳しく見ていきましょう。
デオドラントスプレーの利用
日常的な汗による体臭が気になる場合は、デオドラントスプレーを利用することで改善できます。デオドラントスプレーには、汗の分泌や菌の繁殖を抑制する効果があるため、汗腺からの分泌物が原因となっている体臭に効果的です。
昨今ではスプレータイプだけでなく、ボールを転がして塗り込むロールオンタイプや、リップスティックのようなスティックタイプの製品もあります。
簡単に使えるスプレータイプ、べたつきの少ないスティックタイプ、ムラなく塗れるロールオンタイプはそれぞれ特徴が異なります。ライフスタイルや好みに合わせて選びましょう。
シャワー・入浴の徹底
汗や皮脂の分泌量が多い場合は、シャワー・入浴を徹底しましょう。シャワーや入浴によって身体表面の汗や皮脂を洗い流せば、体臭の原因物質を取り除けます。とくに汗をかきやすい場合は、シャワーや入浴の頻度を増やすとよいでしょう。
できればシャワーではなく、入浴の頻度や時間を増やすことが理想です。入浴によって汗をかくことで、老廃物の排出促進・汗腺の機能向上につながり、体臭の改善が期待できます。汗をかいても体臭が発生しにくいように汗の質を高めることが大切です。
衣類のケア
見過ごされがちですが衣類のケアも重要です。汗や皮脂に含まれる体臭の原因物質が衣類に付着して臭いが残っていると、いくらシャワーを浴びても効果が薄くなります。衣類の着用後は、できる限り早めに洗濯を行いましょう。
強力な臭いが染みついていると、通常の洗濯では原因物質が落ちないケースもあります。このような場合は、塩素系漂白剤で漬け置き洗いするのが効果的です。
また、衣類の生乾き臭にも注意が必要です。衣類が清潔でないと、汗をかいた際に雑菌が繁殖して生乾き臭が発生してしまいます。洗濯後は素早く乾燥させる、洗濯槽を定期的に洗浄するといった対策を行いましょう。
食生活の見直し
身体の内側から体臭を改善させるためには食生活を見直しましょう。食生活を見直すことは加齢臭やミドル脂臭の改善にも効果的です。
動物性たんぱく質や脂肪が多い食品の摂りすぎは体臭を強めます。肉や乳製品、揚げ物などの過剰摂取は避け、野菜・魚・豆製品なども含めてバランスよく食べましょう。ビタミンやミネラルをしっかり摂ることで、体臭の原因物質の排出を促進できます。
また加齢臭が気になる場合は、抗酸化作用のある食物を摂りましょう。抗酸化力を高めることで、加齢臭の原因となる過酸化脂質の発生を抑制できます。ビタミンCの多い果物やビタミンEの多いナッツ類、ポリフェノールの多い豆乳やゴマなどがおすすめです。
医療によるサポート
上記の対策をひと通り試しても改善しない場合、何らかの病気が体臭に影響している疑いがあります。この場合は医療機関を受診して専門的なサポートを受けましょう。体臭の原因となっている病気を治療することで体臭の改善が期待できます。
たとえば、多汗症が疑われる場合は皮膚科で、肝臓病や糖尿病が疑われる場合は内科で治療できます。臭いの特徴や生活習慣、病歴などを振り返り、心当たりのある症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
体臭対策をする際の注意点

体臭対策をする際の注意点は、次の3つです。
- 香水や柔軟剤でごまかさない
- 過度な無臭志向にならない
- 総合的に対策を講じる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
香水や柔軟剤でごまかさない
体臭を香水や柔軟剤でごまかすことは避けましょう。ある程度体臭が気にならなくなったとしても、根本的な解決にはつながりません。むしろ、本来の体臭と混ざり合うことで逆効果となる可能性もあります。
大切なのは、体臭の根本原因を特定して軽減を図ることです。香水や柔軟剤は体臭対策とは切り離し、体臭の根本的な解決につながる対策を講じましょう。
過度な無臭志向にならない
過度な無臭志向にならないことも大切です。無臭を追求することでコンディションを悪化させてしまい、逆効果になるケースも考えられます。
たとえば、臭いの原因物質を排除するために過度な殺菌を行うと、肌の善玉菌まで減らしてしまいます。結果として皮膚のバランスが乱れ、かえって体臭が強くなる可能性があります。また、無理に体臭を抑え込もうとするとストレスが溜まってしまい、自律神経やホルモンバランスが乱れ、新たな体臭を引き起こすことも考えられます。
体臭の改善を目指すことは大切ですが、無理をしても改善するとは限りません。無臭にこだわりすぎず、心身の調和を意識しましょう。
総合的に対策を講じる
体臭が気になる場合は、総合的に対策を講じましょう。体臭は、さまざまな要因が絡み合っていることがあり、1つの対策だけで解決するとは限りません。また、「体臭だと思っていたが衣類の臭いが原因だった」というケースもあります。
そもそも体臭が本当に問題なのか、体臭であれば何が原因なのか、さまざまな観点から現在の状況を明確にしましょう。判明した全ての原因に対して総合的に対策を講じることが大切です。
まとめ
男性にとって体臭対策は、周囲のためにも自分のためにも必要です。汗腺や皮脂腺からの分泌物が原因となるケースだけでなく、食生活や病気が影響しているケースもあります。体臭の根本原因をしっかり特定し、適切な体臭対策を講じましょう。今回紹介した体臭対策を取り入れ、清潔感のある毎日を手に入れましょう。