社会人の勉強方法:5つの選択肢

社会人の勉強方法として、主に下表の5つが挙げられます。
勉強方法 | メリット | デメリット |
学習本 | ・電子機器やインターネット環境が不要 ・一度購入すれば追加費用が発生しない | ・パソコンでの実践とは相性が悪い ・内容が古いケースがある |
学習サイト | ・パソコンでの実践と相性が良い ・最新の知識やスキルを学べる | ・インターネット接続が必須 ・月額料金が発生するケースがある |
学習アプリ | ・スマートフォンで手軽に学べる ・ゲーム感覚で学べるものが多い | ・本格的な実践は難しい ・課金が必要なケースがある |
勉強会 | ・その場で疑問を解消できる ・勉強仲間を見つけられる | ・時間や場所の制約を受けやすい ・本筋からそれるケースがある |
講座・スクール | ・信頼できる講師に教えてもらえる ・効率的なカリキュラムに沿って学べる | ・独学よりも費用が高額になる ・指導やサポートの品質に差がある |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
学習本を読む
入門書や問題集などの本を読むことは、社会人にとって有効な勉強方法の1つです。紙製の本であれば電子機器やインターネット環境が必要なく、じっくり体系的に学べる強みがあります。また、一度購入すれば繰り返し復習でき、追加費用が発生しないのも魅力です。
ただし、プログラミングの実践演習など、パソコンを用いるシーンでは不便に感じやすいのが難点といえます。また、書籍の出版日によっては内容が古いケースもあるため注意しましょう。
下表では、エンジニア向けのおすすめの学習本を紹介しています。気になる方はぜひ確認してみてください。
書籍名 | 概要 |
現場で役立つシステム設計の原則 ~変更を楽で安全にするオブジェクト指向の実践技法 | システム設計のプロが、サンプルコードを交えながら設計の基本やコツを伝授 |
3分間ネットワーク基礎講座 | ネットワークやインターネットの仕組みを、基礎の基礎から分かりやすく解説 |
3分間HTTP&メールプロトコル基礎講座 | Web通信の基礎「HTTP」や、SMTPなどメール関連のプロトコル(ルール)について丁寧に解説 |
プロになるためのWeb技術入門 | Webの基本的な技術や仕組みについて、初心者向けに分かりやすく解説 |
リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック | 良質なコードを書くための実践的なテクニックをイラスト付きで多数紹介 |
学習サイトを利用する
学習コンテンツを提供しているWebサイトを利用するのも選択肢の1つです。学習サイトでは、ブラウザを通して学べるため、プログラミングなどのパソコン作業と相性が良いといえます。コンテンツは適宜アップデートされることが多く、最新の技術を学べるのも強みです。
一方、パソコンとインターネット環境が基本的に欠かせず、これらがないと学習サイトは活用できません。また、月額料金が発生する学習サイトだと、期間が長くなるほどコストがかさむ難点もあります。
下の表では、エンジニア向けのおすすめ学習サイトを紹介しています。気になる方はぜひ確認してみてください。
学習サイト | 概要 |
CloudTech | 人気のクラウドプラットフォーム「AWS」に特化した学習コンテンツを多数提供。動画教材が中心のため、視覚と聴覚を用いて効率よく勉強できる |
Udemy | 信頼できる講師による講座動画を購入できるサービス。プログラミングやデザインなど、さまざまな分野を勉強できる |
Progate | 分かりやすいスライドでプログラミングの基本を学べるサービス。ブラウザ上でコードを書き、その結果を確認できる |
学習アプリを利用する
学習アプリを利用する方法も選択肢の1つです。スマホやタブレット向けに最適化されており、通勤や昼休みなどのスキマ時間に学べるため、忙しい社会人でも勉強を始めやすいでしょう。
イラストやゲーム的な要素を取り入れた学習アプリも多く、楽しみながら勉強しやすいのも魅力です。ただし、パソコン並みの本格的な実践を行うには限界があり、機能が制限されやすい難点もあります。また、課金が必要な学習アプリも少なくありません。
勉強会に参加する
全国各地またはオンラインで開催されている勉強会に参加することも、社会人が勉強するための選択の1つといえるでしょう。勉強会の種類は、実践しながら学べるハンズオン形式、1つの学習本を協力しながら読み進める読書会形式など、多岐にわたります。
同じ目標を持つ勉強仲間と交流でき、学習のモチベーションを高められるのが強みです。また、疑問があればその場で質問・相談できます。他人の視点や意見を取り入れることで、新たな気づきを得られるでしょう。
ただし、勉強会は開催場所や時間の制約が大きいのが難点です。また、勉強会によっては本来学びたい内容から脱線してしまうなど、学習効率が下がるケースもあります。なお、エンジニアの勉強会をお探しの方は、次の記事をぜひ参考にしてください。
講座・スクールを受講する
研修サービスなどが提供する講座や、学習支援に特化したスクールを受講する方法も、社会人が勉強を進めるうえで有効な選択肢の1つです。一般的な講座やスクールでは、そのスキルに精通した信頼できる講師から指導を受けられます。不明点をすぐに解決できるため、独学よりも挫折しにくいのが魅力です。
また、短期間でのスキル習得に向けてカリキュラムを最適化しているため、時間を有効活用できる点も強みです。ただし、独学と比べて費用が高額になることが多く、コストが負担になりやすいでしょう。また、指導やサポートの品質にはバラつきがあるため、講座・スクール選びには慎重さが求められます。
社会人の勉強方法:成功のコツ6選

社会人が勉強を成功させるためのコツは、次の6つです。
- 目的・目標を明確化する
- 学習計画を立てる
- 学習環境を整える
- 勉強の習慣を定着させる
- 無理のない時間を確保する
- アウトプットを重視する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
目的・目標を明確化する
勉強を始める前に、目的・目標をはっきりさせることが大切です。目的・目標を明確にすることで学びの方向性が定まり、モチベーションを維持しやすくなります。
ここでいう「目的」とは、学んだ先にあるゴールを指し、「目標」はそのゴールに到達するまでの具体的なマイルストーン(中間地点)です。たとえば、目的が「Webサイト制作での副収入獲得」だと仮定した場合、次のような目標が考えられます。
- 1ヶ月以内にHTMLとCSSの基礎を習得する
- 2ヶ月以内にJavaScriptの基礎を習得する
- 3ヶ月以内にWebフレームワークの使い方を習得する
- 4ヶ月以内にポートフォリオサイトを完成させる
- 5ヶ月以内に初めての案件を受注する
目標はできる限り細かく設定し、段階的にゴールへと近づいていけるようにするのがポイントです。そうすることで、ゴールまでの道筋が見えやすくなり、日々の学習に取り組む意欲が高まります。目的と目標をしっかりと定め、勉強の効率を高めましょう。
学習計画を立てる
社会人に限らず、勉強は学習計画に沿って進めることが大切です。学習計画があると、何をいつまでに勉強すべきかが明確になり、迷わず学び進められるようになります。一方で、無計画な勉強では必要な学習項目を忘れてしまいます。
学習計画を立てる際は、身につけたいスキルや設定した目的・目標を考慮することが大切です。スキルの習得に必要な学習項目を整理し、平日・休日に確保できそうな時間を確認しましょう。そのうえで、各学習項目の所要時間や実施日程、各週の時間配分など、具体的なスケジュールへと落とし込んでいきます。
無駄なく効率的に勉強を進めるためにも、しっかり学習計画を立てましょう。
学習環境を整える
勉強を始めるにあたって、学習環境を整えることも大切です。優れた教材があっても、集中できる学習環境がないと勉強の効率が低下してしまいます。
たとえば、快適に使えるパソコンを用意したり、集中できる静かなスペースを確保したりすることで、勉強に集中しやすくなります。また、スマホの通知をオフにするなど、余計な誘惑を排除することも効果的です。
自分が集中しやすい環境を整え、より効果的な勉強を実現しましょう。学習計画を立てたものの予定どおりに進まない、といった方も学習環境を見直してみてください。
勉強の習慣を定着させる
勉強を長続きさせるには、習慣化することが重要です。勉強が習慣になれば、苦痛に感じることがなくなり、挫折しにくくなります。毎日勉強するのが理想ですが、難しい場合は週に1~2回、曜日を決めて勉強時間を確保しましょう。
また、「がんばって勉強しよう」と意気込むのではなく、リラックスした気分で取り組むことがポイントです。たとえば、好きな飲み物を飲みながら始めると、心地よく勉強に取り掛かれます。自分なりに習慣化しやすい取り組み方を探してみてください。
無理のない時間を確保する
勉強時間は、無理のない範囲で確保しましょう。無理に長時間の勉強時間を確保すると、睡眠や余暇の時間が削られ、健康や本業に悪影響を及ぼすことがあります。仕事やプライベートに支障をきたさない程度に勉強時間を確保することが大切です。
スキマ時間を上手に活用しながら少しずつ学びを積み重ねることが、息切れしないためのポイントです。勉強を始めてから負担が大きいと感じた場合は、学習計画を調整することも検討しましょう。
アウトプットを重視する
勉強ではアウトプットを重視しましょう。ただ知識をインプットするだけでは、自分のスキルとして定着しません。吸収した知識を活かし、手を動かしながら成果物をアウトプットすることで、実践力・応用力が養われます。
アウトプットを自主的に取り入れるのが難しい場合は、アウトプットの機会が豊富な勉強方法を選ぶと良いでしょう。たとえば、コードを書いて実践できるプログラミング学習サイトや、手を動かしながら学べるハンズオン形式の勉強会などがおすすめです。
社会人の勉強方法:悩み別のアドバイス

社会人がいざ勉強を始めると、さまざまな悩みに直面するでしょう。ここからは、多くの社会人が勉強で抱える悩みに合わせたアドバイスを送ります。
- 時間がない
- 集中力が続かない
- やる気が出ない
- 何から始めれば良いか分からない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
時間がない
忙しい社会人にとって、時間の確保は大きな課題です。勉強したいと思っていても、なかなか時間が取れないという方は多いでしょう。
そのような場合は、スキマ時間を活用しやすい勉強方法を取り入れるのがおすすめです。たとえば、スマートフォンで使える学習アプリを使えば、通勤電車や昼休みのオフィスでも手軽に勉強できます。
また、勉強時間が限られている場合は、優先順位を明確にすることも大切です。重要な学習項目に時間を集中させることで、限られた時間のなかでも効果的に勉強を進められるでしょう。
集中力が続かない
集中力が続かないことは、勉強によくある悩みです。そのような場合は、学習環境を見直し、勉強中の誘惑を遮断しましょう。
とくに、テレビやスマホは勉強を妨げる大きな誘惑です。テレビのない部屋で勉強する、スマホのプッシュ通知をオフにする、など試してみましょう。スマホ依存対策アプリを利用するのも1つの手です。
また、YouTubeなどの動画サイトには、集中力を高める音声コンテンツが豊富にあります。たとえば、周囲の雑音を和らげる「ホワイトノイズ」、作業に休息を適度に取り入れられる「ポモドーロタイマー」などが、勉強の集中力・効率アップに効果的です。
やる気が出ない
勉強のやる気が出ないと感じる場面もあるでしょう。そのような場合、まずは自分の目的が不明確になっていないか確認しましょう。目的があいまいだと、学習の必要性を感じづらく、やる気が出にくくなります。
また、目標を細かく分けて設定することも効果的です。たとえばプログラミングを勉強する場合、「今日中にデータ型を覚える」「明日中に変数の使い方を覚える」など、日単位で具体的な目標を設定します。そうすることで、日々の勉強で小さな達成感が得られ、モチベーション向上に繋がるでしょう。
また、朝起きてすぐに勉強を始めようとしても、やる気が出ない方が多いです。まずは5分だけでもデスクに座ってみましょう。何となくでも勉強を始めることで、徐々に集中するようになります。
何から始めれば良いか分からない
勉強を始めたい気持ちはあっても、何から始めれば良いか分からない方もいるでしょう。そのような場合、まずは基礎の基礎から学べる入門書などを使い、全体像を把握するのが効果的です。全体像が分かれば、学習の優先度や進むべき方向性が見えてきます。
また、独学でつまずいたときはQ&Aサイトを活用したり、メンター(相談役)を探したりしてアドバイスをもらうのも効果的です。自分だけでは解決できない問題でも、他人の意見を取り入れることで解決の糸口が見えてきます。
さらに、学習すべき内容が分からない場合は、求人サイトなどで自分の職種に求められるスキルをリサーチしてみましょう。現実的に求められるスキルを知ることで、学習すべき項目や優先順位が明確になります。
まとめ

本記事では、社会人におすすめの勉強方法5つや、勉強を成功させるコツや悩み別のアドバイスをお伝えしました。社会人の勉強方法はさまざまですが、いずれもメリット・デメリットがあるため、自分に合った勉強方法を選びましょう。
また、勉強を成功させるためのコツも押さえておくことで、効率的に勉強を進められるようになります。勉強を始める際には、今回の内容をぜひ参考にしてください。